ワイヤレスジャパン2023出展報告
~電波法令改正後、初の展示会出展~
802.11推進協議会
マーケティングTG 森田基康
■ ワイヤレスジャパン出展概要
2022年5月24日(水)〜5月26日(金)にかけて株式会社リックテレコムが主催する、国内最大級のワイヤレス通信の専門イベント「ワイヤレスジャパン2023」(於:東京ビッグサイト西棟)が開催されました。無線分野で活躍する多くの企業や団体が出展する中、802.11ah推進協議会は一般社団法人 無線LANビジネス推進連絡会と共に、2019年の初出展から数えて4回目の出展を行いました。
開催期間中は天候にも恵まれ、合わせてコロナ明けの展示会ということもあり、ワイヤレスジャパン2023は盛況で多くの方にご来場頂き、延べ1,100人の方に当協議会ブースまでお立ち寄り頂きました。
ワイヤレスジャパン、ワイヤレステクノロジーパーク全体来場者(会期3日間)
2022年度開催 |
2023年度開催 |
14,126名 |
22,691名 |
802.11ah推進協議会/無線LANビジネス推進連絡会 ブース来場者(会期3日間)
2022年度開催 |
2023年度開催 |
延べ850名 |
延べ1,100名 |
(ブース全体)
(ブース来場者風景)
当会ブースでは2022年9月に電波法令改正後、国内向け技適取得した11ah対応製品を利用したユースケースの動態展示コーナーをメインにして、その機器や関連製品を一同に集めて展示を行い、より具体的な11ah製品の利活用についてアピールしました。
合わせて11ah市場深耕するために必要なサーベイツールやデバイス相談コーナーを設けて、来場されたお客様に対して国内における11ah製品の商用展開が既にスタートしていることを発信させて頂きました。
今回は新たな試みとして、会場内の当協議会メンバーが単独出展しているブース間でデータ転送を行いました。11ah製品を利用した映像やセンサーデータによる可視化を再現して、来場者の皆様に11ahの実力を体感して頂くことが出来ました。
会期中には当協議会副会長による会場内のセミナー講演、運営委員による基調講演を通じて、多くの方に11ah規格の特長や利活用方法等を発信させて頂きました。
■ 実際に動く製品で利活用方法を発信
ブース内メインの展示コーナーでは、11ahの対象市場である「農業」「FA・産業」「ホームユース」の3分野と、市場活動において11ahのニーズが高い自治体における「地域の安心・安全」を合わせて、4分野のユースケースの展示を行いました。カメラやセンサー等を組合せして、来場された多くのお客様に実際の利活用方法を見て頂くことが出来ました。
【農業IoT】
農業分野のハウス内におけるIoT実装に対し11ahを利用して再現しました。ドーム型カメラと温湿度センサーを11ah対応BOXで収容し、合わせて11ah対応の定点監視カメラも接続して、ハウスで栽培している作物の育成状況やハウス内の温湿度状態をクラウドシステムで管理、監視できる仕組みを構築しました。
【FA・産業IoT】
工場等のFA現場の設備で今でもよく使われている、アナログメーターを通常のカメラと組込みカメラの2台で撮影して11ahで映像伝送した後、AIによりデジタル化を行ったメーターとアナログの映像を比較して管理する環境を構築しました。
【地域の安心・安全】
地域の防犯や鳥獣害対策を想定して、11ah対応のカメラに実装しているAI動態検知機能を利用して、駅周辺等を想定した人混みにおける人物検知による人流監視を再現しました。合わせて同機能を駆使して人物と鳥獣を判別して検知する機能で、最近都市部でも被害が増えている鳥獣害対策の一環に役立てる鳥類を動態検知する環境を構築しました。
【ホームユース】
集合住宅の監視用途としてニーズが高い、近隣の駐車場監視を11ah対応のデバイスゲートウェイ製品経由で監視カメラを接続しクラウドで監視する仕組み構築しました。また集合住宅のごみ置き場におけるいたずらを抑止するユースケースとして、動態検知カメラとパトライトを11ah経由で接続し、パトライトを点滅させる環境を構築しました。
ホームユースのデモ環境においては無線LANビジネス推進連絡会にご協力を頂き、居宅内で利用している家庭用Wi-Fi 6E対応のホームルーター環境を用意して、インターネット経由で駐車場監視カメラの映像やごみ置き場の映像を、居宅からスマートフォンやタブレット端末で見ることができるデモ環境を用意して、近い将来の11ahと従来Wi-Fi環境を利用したホームユースのモデルケースを再現しました。
(メイン展示の動態デモコーナー)
■ 今後の活動
当団体としては昨年9月の電波法令改正後、国内メーカーのみならず海外メーカーの11ah対応製品を国内の様々な分野で利用できるよう、会員企業のメーカーや通信キャリア、インテグレータへの市場活動をバックアップすると共に、実フィールドにおける性能検証や実証実験のサポートを進めて来ました。今後は11ah製品によるIoT市場の醸成と拡大を図るため、「製品拡充とサービス提供への取組み」と「市場の需要喚起と拡大に向けた取組み」この2つの軸で活動を進めてまいります。
(今後の活動取組み)
① デバイス製品拡充に向けた市場活動の継続
② 国内向け11ah対応製品の開発や市場投入に向けたバックアップ活動の継続
③ エンドユーザー活動と市場における新たな11ahの利活用方法や実証実験活動の展開
④ 11ahが対象としている市場全般に対してのニーズ調査、サービス化の提案と展開
更に国内外に対して11ahの市場深耕状況や市場ニーズ等、様々な11ah関わる情報発信に努めてまいります。